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キウイ好きな人の日常。。。

趣味の読書やTRPG、あとは日々のあれこれについて書いてます。毎日が運動不足です。

読書感想<天使の影~アドリアン・イングリッシュ1~>

先日、友人からオススメしてもらって読んだ一冊。ジョシュ・ラニヨン著<天使の影>。

この作品はいわゆるBL小説です。海外では「M/M」や「Slash(スラッシュ)」という名称のジャンルとして表現されるらしいです。

なので男性同士のあれこれなお話が苦手な方は、「続きを読む」のクリックは非推奨。まぁ、ネタバレになるのでそんなに深くは語りませぬが。というか、日本のBL小説と違って、海外の腐ジャンルである「M/M」や「Slash」はどうもそういう描写や内容よりも小説としてのジャンル(ホラーとかミステリーとか)のストーリーが濃厚だそうで。

この<天使の影>も、2人の恋愛模様よりもミステリー小説に出てくる登場人物がセクシャルマイノリティーだった。というような印象でした。

風景や人物描写も丁寧で、海外ドラマを見ている気分。とても面白かったです。

 

以下、感想~。

・・・・・・・・・

書店を営みながら、小説の執筆もしている主人公アドリアン・イングリッシュ。

その書店の店員であり、昔からの友人だったロバートが惨殺されるところから物語が始まります。いわゆるミステリー小説ですね。でも謎解きがメインというよりも、事件に巻き込まれていく主人公とその事件の担当になった刑事のお話。推理パートとかほとんどありません。

ダウナー系主人公(かな?)のアドリアンが可愛かったです。32歳。自分と人との間に線引きや壁を作って傷つかないように・・・とか思ってるのに、わりと流される。優柔不断でした。

ダウナー系好きな自分は「かわいいなぁww」とか思っていたりいなかったり。白いシャツにダボッとしたカーディガンを着ててほしいような、そんなキャラクターでした。

そして相手役なのが刑事ですね。なんというか、こう、海外ドラマの刑事役には必ず1人はいるコーカソイドの堅物で大柄で皮肉に笑って容疑者の内心を逆なでするような。そんなキャラクター。ちょっと序盤では腹立ちますこの人(笑)

 

物語そのものももちろん面白かったですが、海外のセクシャルマイノリティ事情がとても興味深かったです。

昔見ていた海外のドキュメンタリー番組で知ったのですが、海外(特にキリスト教の国なのかな)は同性愛者のカムアウトが殺人の動機になったりするようで・・・。

宗教的に同性愛を禁止しているわけではない(明確にそれが罪だとは説いていない)はずなんですが、非生産的な性交渉を禁止している=同性愛は罪だ!という解釈があり、バッシングを受ける対象になるみたいです。

それも、「死」に繋がるようなほどの。

そういった社会的部分や、同性愛者である主人公の葛藤や、社会的認識も描かれていてとても興味深かった小説でした。

一番グッサリきたというか「あーあ・・・」という感情になったのは、ホモフォビアからのバッシングではなくて、<友人>である小説仲間の夫婦が主人公に理解を示しているようで、結局は差別的な考え方をしていた部分。

「友人だから!軽蔑なんてしてないわ!」というような態度ですが、それでもやっぱり差別的。暴力や暴言はなく、むしろ主人公に対して友好的ではあるのですが・・・無意識に傷つける言葉や態度が・・・・率直に言うと、イラッとしました。ね。うん。

理解を示してるようで、やっぱりね。

無知無自覚な第三者の悪意というかなんというか。世間って人間ってそんなもんだよなー・・・という気分になりました。

良い人たちなんですけどね。モヤッとする。そしてそれを諦めて享受してる主人公。どうしようもないところなんだろうなーーーなんだけどなーーーーと苦々しく思いながら読んでおりました。

 

普段日本の小説を読んでると、BLというジャンルに関わらず、こういった差別的な考え方や社会的な立ち場って知ることがないので、興味深く読みました。

日本のBL小説はファンタジーだから。ほら。

5巻まで刊行されているようなので、続きも読まないと!

2巻はやっとこさ恋人(なのか?)になって、3巻でこじれるって友人から聞いたので、今から楽しみです。

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