キウイ好きな人の日常。。。

趣味の読書やTRPG、あとは日々のあれこれについて書いてます。毎日が運動不足です。

<RPF>レッドドラゴンを読んで

どうも。好きなアイスはチョコミント。いのこです。

 

遅まきながら、「レッドドラゴン」を読了しました~。

つい最近この作品を知ったのですが、一夜から六夜を大人買いして、一気に読み続けました。いやー。面白かった!

TRPGではなく、RPF・・・<ロールプレイフィクション>と名づけられたこの作品。

異世界が舞台。三国の人間達と赤い竜の、赤い竜を討伐するためのお話。

ネット企画で連載され、書籍にもなり、アニメにもなって、アプリゲームにもなって、ボードゲームは現在まだ進行中?(なのかな?)現代のメディア媒体フル活用した作品ですが、そのシステムは一般化されておらずただただこの企画の六夜限りのために組まれたという・・・。どんだけの金が動いたんだろうかという下種の勘ぐりが頭をかすめますが、まぁそれはそれ。

元々自分は紅玉いづきさんのファンでして。紅玉先生がPLをやると、PCを操るとネットで拝見したのが読んだきっかけでした。

読者として読んだ感想は、ただただ「面白かった」でした。

そして、TRPGプレイヤーとして読んだ感想は、「なんぞこれ・・・!?」でした。

PLとして参戦されていらっしゃる方々が、ゲームシナリオ界やラノベ界で名高い方々ばかりなので元々<物語を作る>という点ではプロフェッショナル。(しまどりるさんはイラストレーターさんですが)自分と比べてはいけない発想や頭の回転をしてらっしゃるような方々のRPにただただ圧巻というか「うっわぁ・・・」と感じるばかり。

本当に、いろんな面で「うわぁ・・・」という感想でした。

PL陣のキャラクターとしての発言でしたり、行動でしたり、思考でしたり、決定でしたり、PCとしての言葉でしたり。そして、PLにもFMにも、誰にも操作できない決定的なダイス目。もうね。ダイス目がね、神がかってるってああいうことを言うんだなって。

リプレイというにはあまりにもドラマ仕立てで、小説というにはあまりにもPLやFMやスタッフさんたちが必死で。

確かにこれを読んで「TRPGをやりたい!」と思って入ってきた方には、「待て。待つんだ。一度、生の卓を見学してみてくれ。それからでも遅くない。」と待ったをかけるくらいの作品でした。それくらい、大規模な物語。

つーかあんなRPをあのFMとスタッフ以外のマスタリングでやらかした日には事故どころの話じゃなくなる気がする。

 

以下、ネタバレ含む感想ですー。

あとちょこっと個人的なTRPG感も書いてます。嫌いな方は要注意!

・・・・・・・・・

いやー、紅玉先生のファンなので「一番好きなのはエィハです!」と言い切りたいですが。もうね。虚淵先生の婁さんと七殺天凌こと媛の純愛がね。素晴らしくドツボでした・・・。

キャラクター全員魅力的で、PCもNPCも本当、全員好きですが。

だがしかし、婁さんと七殺天凌の組み合わせはズルイわー。あれはズルイわー。

最初はただの危ない人かと思ったのに、ただの一途な暗殺者でした。

あの1人と一振りの最後は本当に、愛しかなかったなと。婁というPCにとって、あの最後は幸福でしかなかっただろうなと想像します。

人として生きている限りいつか自分には終わりがあり、終われば七殺天凌は自分ではない誰かの剣になってしまう。だからと言って自分の手で折るという選択は、彼女が<剣>である限りはありえない。人同士であれば心中という手段があるけれど、人と剣ではそれもできない。

っていうか婁さんは人間の七殺天凌には一ミリも興味ないですからな。彼の愛の全ては<剣>である七殺天凌だけのものだった。

あの最後。砕けた七殺天凌で自害するという選択は、人と剣のまま、人と人のように一緒に逝けるという結末は婁震戒にとって最高に幸福な最後だったのだろうと思います。

あんなRPが行えたら、それはPLとして感無量でしょう・・・・。すごい純愛だった。人×無機物、いいかもしれない・・・(新しい扉が開く音)

いや、正直なところ<赤の竜討伐>という目的を課せられたPL/PCの動きとしては「オイコラ待て!!!」と言いたくなる感じですが。実卓(いやあれも実卓ですが・・・)であんな行動されたら「オイコラ待て!!!!」と首根っこ掴まれても文句言えないんでないかなとも、むしろあんなPLがいるGMをやらなきゃいけないとか泣くしかないわ!?と思いますが。それでもそれも含めて良いキャラクターでした・・・。

 でもあれは、あのFMとあのスタッフ陣営という力技だからできたことなので、普通のセッションでやったらアカンです。

 

あとは、そうだな。エィハについてはもう、紅玉先生の<少女>だったなぁと。エィハとジュナという友愛の関係も。エィハと忌ブキという剣と王の関係も。エィハとヴァルという一対の関係も。全て紅玉先生の書く<少女>が凝縮されたキャラクターだったなという印象でした。

個人的には、あの一夜。初めのあの場所で彼女の決断が違っていたら、どうなっていたのかなぁという興味があります。そうなっていたら、もっと全て、特に忌ブキの立ち回りが変わっていたと思うので。

あとは、キャラクターとしては禍グラバ氏の奥方がめちゃ好みでした。目隠れボクっ娘!そしてチラッと出たビジュアルも可愛かったー!

 

全体的な感想としては、各PCの言葉というかセリフがとてもいいなーと思いながら読んでおりました。所々編集が入ってると思うので、たぶんセッションの時のまま、そのままの言葉ではないかもしれませんが。それでもよくもまぁ、あんなにピンポイントに抉るような支えるような先を見透かすような言葉を言えるものだなぁと(褒めてます)。

ゲームを進行するために行う行動をロールプレイ。

キャラクターとして発言、行動することをキャラクタープレイ。

と考えてます。この辺PL毎に考え方があると思うので、個人的な考えですが。

RPもキャラプレイも、どちらもふんだんにはいった作品だったなと。

【TRPG】であれば、最低限RPだけでもゲームは成り立つんですよね。行動宣言、ダイス宣言、ルールの中で動いて考える、それでTRPGができる。

で、逆にキャラプレイだけでは【TRPG】だと思いません。それはたぶん【なりきり】だと思うのですよ。キャラプレイがいいか悪いか好きか嫌いかではなくてね。

 

それを踏まえて、<RPF>、ロールプレイイングフィクションというこのセッション。

初め<RPF>と聞いたときには「何ゆえTRPGという表現を使わぬのか」と思ったものですが。読了後の感想は、これは確かにRPFだったなぁというものです。

TRPGはセッションしているGMPLが楽しければそれでいいんですよ。外野が何言おうと、その<遊んでいる人たち>が楽しくて満足であれば。

でもその<遊んでいる人たち>以外の人へアクションをして、その人たちも楽しませるエンターテイメント。それを大前提に作っている作品として、<RPF>というもの。

このシステムを公開してTRPGプレイヤーたちがセッションをしたとしても、<RPF>には成り得ないのだろうなとも思います。

 

って長いな。感想。

まぁ、そのうちファンブックも読みたいなぁと思います。セッションでは語られなかった各キャラクターのこととか気になる。PLのあのとき実は・・・みたいなのもあったらいいなぁ!